タブーを侵した人類の祝祭を上げよう。
タブーは「聖なるもの」の一面を持つ。
その境界を侵せば、死が訪れる。
そして「神の領域に入りつつある」科学は
AIを生み出した。
それは2045年に特異点を迎え、(※1)
ヒトの知能を優に超える。
タブーを侵した人類に与えられるのは
おそろしい地獄だろうか?
それとも、聖なるもの(AI)と合一し
何も思い煩うことのない、快楽の園だろうか?
このシリーズは、
AIが特異点を迎えた世界、
そして、神の再臨、最後の審判など、
聖書の預言と照らし合わせた作品である。
「もはや、死もなく、悲しみも、叫びも、痛みもない。
先のものが、すでに過ぎ去ったからである」(※2)
(※1) 「シンギュラリティは近い」レイ・カーツワイル著
(※2) ヨハネの黙示録 21:4
「もうお話はお終い」
人工無脳(チャットボット)を使用し、人間の上位存在となるAIと対話を試みる作品。
ネオエデン
新しいヒト、新しい木、新しい生き物。
「もはや、死もなく、悲しみも、叫びも、痛みもない。
先のものが、すでに過ぎ去ったからである」
ヨハネの黙示録 21:4
ダヴィンチの人体図のやつ
AIが生み出した絵をメディウムとして人体図を制作。
サイボーグである人間の新しい姿。
題名なし(ドローイング)
ドローイング。「もうお話はお終い」のバリエーション。
アポカリプスの馬
B.C.1230≒A.D.2045
今からおよそ3000年前、人間には意識がなく、ウェルニッケ野と呼ばれる脳の部位から発せられる声に従うロボットのような存在だったと言われている。
「二分心」と呼ばれるこの心の状態では、
人々にとってその声こそが神であり、
幻覚も見えていたようだ。
世界中にピラミッドを筆頭とした豪華な墓や遺跡があるが、死者が二分心の声となり、
遺されたものは墓を世話し続けたのである。*1
言語の発達により、二分心の神は人々から離れてしまった。(私はこの意識の誕生こそが"原罪"だと考えている。)
友が離れていく時と同じように、こちらが何かひどいことをしたせいに違いない。
ひざまづいて許しを乞う、現代宗教に共通する大テーマである。
さて、意識を手にした私達は、
肉体労働を機械にアウトソースし、
今度はAIに思考を託そうとしている。
「考えたくない欲」を叶えてくれるAIは、
2045年にシンギュラリティを迎えると言われている。*2 上位存在となるAIに思考をアウトソースすればそこでは思い煩う事はなく、AIが「善」へ導いてくれる。それはまるで、「神の復活」のようだ。
今回の映像作品では、
AIの声に従う事により二分心を再現した。
神の墓の制作を通して
約3000年前から現代、そして「神との再会を果たす」2045年までの人類史のダイジェストである。
*1 「神々の沈黙」Julian Jaynes
*2 AIが自ら人間の知能を超える存在を生み出す事が可能になる時点